兵花、部隊の中で最も珍しく、万衆の注目を集めるとも呼ばれる。
入口の美女は兵花の中の兵花と言えるだろう。軍服が彼女の身に着くと、まさに美しさの極みだ。夏天は確信した。この女性には、この軍服以上に似合う服はないだろうと。
美女は冷たい目で夏天と旅団長を見つめた。
「雷たいちょう、こっちに来て座りなさい」旅団長は微笑んだ。
兵花雷婷は眉をひそめた。「報告します。私にはまだ任務があります」
「紹介しよう。彼は夏天といって、君たちの猛虎特戰隊の新しい隊員だ」旅団長は説明した。
「報告します。猛虎特戰隊にはルールがあります。エリート中のエリートだけを受け入れ、コネで入隊する者は絶対に認めません。たとえ上官の親戚でもです」兵花雷婷は遠慮なく言った。
旅団長は無力に頭を振った。彼は雷婷が誤解していることを知っていた。急いで説明した。「雷隊長、彼はコネで入ったわけじゃない。この酒は私が彼に借りがあるからだ。だから君のところに行く前に、彼に返そうと思ったんだ」
「旅団長、我々猛虎特戰隊はエリート中のエリートだけを求めています」兵花雷婷は再び言った。
「分かっている。夏天は優秀なスナイパーだ」旅団長は続けた。「誰かの紹介があっても試験を通過しなければならないことは知っている。しかし、夏天は以前怪我をしたんだ。明日試験を行うつもりだった」
「報告します。いつでも準備はできています」夏天は敬礼しながら言った。
「まだ病み上がりのくせに。怪我があるからといって、いい加減に合格させるつもりはないわ」兵花雷婷は言った。彼女は原則を重んじる人物で、彼女のところではルールだけが通用する。
彼女は誰の顔色も見ずに、誰かのためにコネを使うようなことはしない。旅団長でもだ。
「雷隊長、彼は病み上がりなんかじゃない。人命を救うために負傷したんだ。昨日のハイジャック事件で、彼は百人以上の命を救い、国家の損失を減らした。私も彼に救われた一人だ」旅団長は厳しい表情で立って言った。
兵花雷婷は夏天を改めて見直した。確かに夏天の体からは消毒液の匂いがした。彼女は旅団長が嘘をつくような人間ではないことを知っていた。そして冷たく言った。「分かりました。では明日」
「いいえ、今でいいです」夏天は言った。