雲淼はどんな人物なのか？江海大學公認の第一美女だ。この名前を聞いただけで、男性だけでなく女性までもが一斉に入り口の方を見た。
雲淼は間違いなく男女問わず魅了する絶世の美女だった。
夏天のテーブルの人々も全員入り口の方を見ていた。食堂内には人があまりいなかったが、夏天以外の全員が入り口を注目していた。
雲淼の隣には、あの奇抜な靈兒がついていた。二人は周囲の視線に気づいていないかのようだった。
食堂内では既に自分の寮の仲間や友人に電話をかけ始める人もいた。
「雲淼を見たぞ。今、食堂にいるんだ。早く来い」
「何を待っているんだ。本人は写真よりも美しいぞ」
「兄弟たち、見逃したら一生後悔するぞ。こんな美しい女性を見たことがない」
食堂内の男子学生たちは既に友人を呼び始めていた。中には携帯を取り出して写真を撮り始める者もいた。以前から雲淼の写真は見たことがあったが、実際に目にすると皆夢中になってしまった。
これこそが真の女神だった。
靈兒は周囲を一瞥した後、少し驚いた様子だった。彼女は奇妙な光景を目にした。なんと、先輩を見ていない男子学生がいたのだ。これには彼女も困惑した。先輩に興味を示さない男子学生がいるなんて。
二、三歩前に進むと、靈兒はその人物がどこかで見覚えがあると感じた。さらに二歩進むと、靈兒はようやくその人物の顔をはっきりと認識した。
「先輩、あのバスケットボールの神様よ」靈兒は淡々と言った。
「え？」雲淼も少し驚いた様子で、靈兒の視線の先を見た。
「ねえ、看護系の男子、あんた本当に男なの？この部屋であんただけが雲淼を見てないみたいだけど。彼女は絶世の美女よ」袁莉は夏天を一瞥して言った。彼女はまだ夏天が超必殺技を教えてくれないことに怨みを抱いていた。
このとき他の人々も、夏天が頭を下げて食事を続けていて、全く雲淼を見ていないことに気づいた。
全員が好奇心に駆られて夏天を見つめた。
先ほど丁虎も見ていたし、彼も目を奪われていたが、孫雯雯は全く気にしていなかった。なぜなら丁虎の反応はごく普通の人間のものだったからだ。
しかし夏天は普通ではなかった。
「先輩、あそこに座りましょう」靈兒は微笑んだ。
「そうね」雲淼はうなずいた。
