彼らにとって、これは侮辱以外の何物でもなかった。7人全員で挑むことを提案されたのだ。これは誰にでもできることではない。それに、夏天はさらに椅子に座ったまま、椅子から離れたら負けとまで言い切った。
このような状況で7人が負けるようなら、切腹するしかないだろう。
「大丈夫だ。誰かが私に傷をつけられたら、その者が総教官の座を手に入れられる」夏天は微笑んだ。この7人が皆、総教官の座を狙っていることは明らかだった。
通常なら、総教官はこの7人の中から選ばれるはずだった。しかし、突然夏天が現れたことで、彼らが納得できるはずがない。
言わば、夏天は彼らの座を奪ったのだ。
総教官の座は常に能力のある者が就くものだった。そのため、長年にわたってこの7人は争い続けてきた。
「部長、彼の言葉は本当ですか?」七等グループリーダーは葉婉晴に尋ねた。
「彼は君たちの総教官だ。彼の言葉は当然有効だ」葉婉晴は冷静に答えた。
「では、その称号は私のものだ」七等グループリーダーは瞬時に飛び出した。七等グループリーダーが動き出すのを見て、他の者たちも一斉に突進した。
近づいてくる彼らを見て、夏天は微笑んだ。右手を伸ばし、人差し指と中指で直接七等グループリーダーを指さした。その動きは滑らかで、落ち着き払った態度に葉婉晴は少し驚いた。
目の前の光景を見て、彼女は昔の夏天龍を思い出した。父子二人はますます似てきていた。
七等グループリーダーの攻撃は非常に速かった。一撃を夏天の体に向けて放った。しかし、拳が夏天に当たりそうになった瞬間、彼の手首に突然の痛みが走り、拳に込めた力が全て散ってしまった。
「ああ!」七等グループリーダーはすぐに手を引っ込めた。その時、他の6人も突進してきた。
夏天は微笑み、右手の2本の指で次々と彼らを指さした。
このようにして、双方は1時間にわたって攻撃を繰り返した。夏天は始めから最後まで椅子に座ったままで、左手さえ使わなかった。一方、7人のグループリーダーたちはすでに地面に倒れ込むほど疲れ果てていた。
今日、彼らはついに夏天の実力を目の当たりにした。
この総教官に対して、彼らは心から服従せざるを得なくなった。