目の前に残った40枚以上のトランプを見て、溫兆華は泣きたい気分だった。しかし、彼はまだ食べ続けなければならなかった。
「あなたはトランプを食べるデブちゃんです」と夏天は歌い続けた。
「ふん」と溫兆華は不機嫌そうに冷たく鼻を鳴らした。
「続けましょう」と島川梅子が言った。
第2ラウンドの賭けはバカラで、賭けの内容は、夏天が負けた場合は着物の前で跪いてD国に謝罪すること、島川梅子が負けた場合はテーブルの上で跪いて「D国人はみんなカメの子だ」と10回叫ぶことだった。
第2ラウンドの勝敗は第1ラウンドとは異なり、一度負けると勢力の尊厳の問題になってしまう。
見物人の多くは夏天が負けて恥をかくのを見たいと思っていたが、この件で華夏の面子を失うことは望んでいなかった。
バカラはバンカーとプレイヤーを賭けるゲームだ。
2人でプレイする場合、島川梅子が自然とバンカー、夏天がプレイヤーになる。
島川梅子は新しいトランプを1セット開けた。
「先にカードをチェックしてください」
「必要ありません。そのまま始めてください」と夏天は微笑んだ。
相変わらず落ち着いた様子だった。一方、島川梅子はすぐにカードをシャッフルし始めた。
おお!
島川梅子のシャッフルの技を見て、その場にいた人々は驚愕した。これはあまりにも凄すぎる。この手さばき、この技術は特殊技能を披露しているようだった。
1分後、島川梅子はシャッフルを終えた。
「カットしてください」
カットとは、どの位置から配るかを決めることだ。
夏天は適当にカットし、女性ディーラーが2人にカードを配った。
女性ディーラーは2人にそれぞれ2枚のカードを配り、夏天はすぐにめくった。1ポイント。
「もういいです」と夏天は微笑んだ。
夏天の言葉を聞いて、女性ディーラーは少し戸惑った。1ポイントは最小の点数なのに、もういいと言っている。これでは島川梅子が今すぐカードを開けば彼に勝ってしまう。
「お客様、本当にもういいのですね」と女性ディーラーは再確認した。
「はい」と夏天は頷いた。