夏天は直接病院に向かい、病院に着くと林冰冰の病室に行った。
「夏さん、こんにちは」林冰冰の病室の前で見張りをしていた二人の警官が夏天に挨拶した。これまでの出来事で、多くの人が夏天を知るようになっていた。錢たいちょうが林冰冰を守るために人を派遣する際、当然夏天を知っている二人を選んだのだ。
不必要なトラブルを避けるためだ。
「お二人ご苦労様です。もう帰っていいですよ」夏天は頷きながら言った。
「では私たち二人は先に失礼します。夏さんが何か必要なことがあれば、私たち二人を呼んでください」二人の警官はそう言って直ちに立ち去った。
林冰冰はすでに目を覚ましていた。
夏天を見ると、林冰冰は起き上がった。
「警花さん、僕に会いたかったんでしょ」夏天は笑顔で林冰冰を見つめた。
「会いたくなんかないわよ」林冰冰は本当は夏天と少し話したかったのだが、夏天のその一言で全ての気分が台無しになってしまった。
夏天は直接林冰冰のベッドの横の椅子に座った。
「さっき外に警察署の人がいるのを見たけど、何かあったの?」林冰冰は不思議そうに尋ねた。
「あなたを傷つけた奴を捕まえたんだけど、また誰かに助け出されちゃってね」夏天は説明した。
「助け出された?警察署の中で人を助け出すなんて」林冰冰は信じられない様子だった。警察署の中で人を助け出すなんて、一体どれほど凄い人物なんだろう。
「心配ないよ、また捕まえてくるから」夏天は軽く笑った。
咚咚咚!!
「どうぞ」
「林冰冰さんはいらっしゃいますか?」妖艶な女性が病室に現れた。彼女は手に果物と栄養剤を持っていた。
「あなたは?」林冰冰は疑問に思いながら相手を見た。
彼女はこの人物を知らなかったが、手に持っているものを見ると、自分を見舞いに来たようだった。
「四海の内は皆姉妹でしょう。あなたをお見舞いに来たのよ」彼女は直接林冰冰のベッドの横に座り、笑顔で林冰冰を見つめた。
「ありがとうございます」林冰冰は相手が誰なのか分からなかったが、それでも感謝の言葉を述べた。