「私たちはいったいどこへ行くの?」林冰冰が不思議そうに尋ねた。
「任務で既にこの二人の情報が与えられているじゃないか?一人ずつ行こう、まずはその逃亡犯を捕まえに行く」と夏天は言った。
「情報には逃亡犯が3日前に現れた場所しか書いてないわ。どこで捕まえればいいの?」林冰冰は憂鬱そうに言った。もし本当にそんなに簡単なら、任務とは呼ばれないだろう。
「簡単さ」夏天はわずかに微笑んで、紅さんのバーに向かった。
「こんなに早く戻ってきたの?」紅さんは夏天を一瞥して言った。
「紅さん、お願いがあって来たんだ」夏天はその人物の基本情報が書かれた紙を紅さんに渡した「ある人の居場所を調べてほしい。すぐに戻ってくるから」
「おい、私は有料なんだぞ」紅さんの言葉が終わらないうちに、夏天はすでに姿を消していた。
バーを出た後、夏天は林冰冰を連れて生活保護局の秘書の家の下に行った。
「ここで張り込むの?」林冰冰は夏天を見て尋ねた。
「何を張り込むんだよ。ここで待っていてくれ、俺が上がっていく」夏天は両足に力を込めて跳び上がり、両手で上の階を掴んで直接飛び上がった。
夏天の動きを見て、林冰冰は顎が落ちそうになった。これはあまりにも誇張しすぎだろう、夏天は外から登っていくつもりだった。
夏天は銀針で窓を軽々と開け、部屋の中に飛び込んだ。家には誰もいなかった。通常、この職位の人はほとんど年中外で接待をしている。
透視眼を開き、あたりを探った。
見てみると、案の定多くのものが見つかった。
ベッドのマットレスの下が空洞になっており、そこには1億円以上の現金があった。
「こんなにたくさんの金、どう説明するつもりだ」夏天は携帯を取り出し、お金を撮影した。そして、この山積みの金の中には保証書といくつかの名前もあった。
夏天はそれらのものを持ち去らず、いくつかの写真を撮っただけだった。草むらを驚かさないようにするためだ。物事が終わった後、夏天は窓から出た。林冰冰が下にいるので、当然直接飛び降りるわけにはいかなかった。そうすれば彼女を驚かせてしまうだろう。
そこで夏天は一階ずつ降りていった。