夏はこの向老爺が小馬兄の商売に大きな助けになることがわかった。もし彼が向老爺を治せば、向頭さんも向老爺も小馬兄に大変感謝するだろう。
「私は持っています。家に宝物を隠してあります。先祖代々伝わってきたものです」と向老爺は自分の寝室に向かって歩き出した。
すぐに、向老爺は寝室から出てきて、手に錦の箱を持っていた。夏はその錦の箱を見たとき、中に入っているものが並の品ではないことを知った。
「おやじ、彼にそんなことをさせてはいけません。彼が江湖の詐欺師なのかどうかわかりませんよ」と向老爺の看護師が出てきて止めた。
「私は自分の意志でやっているんだ」と向老爺は夏と初対面だったが、彼の能力を非常に信頼していた。
「だめです、絶対にだめです。もし彼があなたに鍼をしようとしたら、私は警察に通報します」と向老爺の家の看護師が脅した。彼は向家の看護師で、毎日向老爺の世話をする役目だった。彼は絶対に見知らぬ人におやじの病気を治療させるわけにはいかなかった。
彼は毎月高額の給料をもらっていた。
彼は誰かに自分のこの仕事を奪われることを絶対に許さなかった。今、向老爺がまさか部外者を信じ始めるとは。まずこの若者が本当に向老爺の病気を治せるかどうかはさておき、この若者はすでに自分に脅威をもたらしていた。
もしこの若者が向老爺の病気を治してしまえば、自分の職は失われる。治せなければ、向老爺が亡くなれば自分の職はやはり失われる。向老爺には今後1、2年の命しかないが、この1、2年の間に十分な金を稼ぐことができるのだ。
「郭先生、それはどういう意味だ?この家はいつからお前が仕切るようになったんだ」と向老爺は不満そうにその看護師を見た。
「おやじ、誤解しないでください。あなたの安全のために考えているんです」と郭先生は急いで説明し、その後夏を見て「あなたは自分の病院やクリニックを持っていますか?」と聞いた。
「ありません」と夏はさらりと言った。
「では、医療行為の資格証はありますか?」と郭先生は再び尋ねた。
「ありません」と夏は言った。