看護と聞いた時、夏天は完全に呆然としてしまった。大の男が看護を学ぶなんて、従姉はこれで自分が将来嫁を見つけられないか仕事が見つからないことを心配しているのだろうか。高等看護学科は女子学生が一番多く、今は男性看護師も少ないので、将来の競争力もあまりない。
しかし、自分の大学生活の5年間を本当に女子学生たちと一緒に過ごすことになるのだろうか。
そう考えると、夏天は本当に幸せに包まれたような気がした。でも、これは本当に艶福なのだろうか?
「高等看護学科に出願したの?」曾柔も驚いた顔で夏天を見つめた。
「従姉が僕のために出願してくれたんだ」夏天は今、言いたくても言えない苦しみを感じていた。早く知っていれば従姉に出願を手伝わせなかったのに、こんなにひどい目に遭うなんて。
「あなたの従姉、本当に優しいのね」曾柔はうなずいた。
葉清雪が夏天の専攻を報告すると、看護系の学科長と教師たちは喜びを隠せなかった。大学入試のトップ学生が自分たちの学科に来るのだから、もちろん嬉しかった。他の学科の学科長や教師たちはため息をつくしかなかった。
咚咚咚!!
「どうぞ」
「柔柔ちゃん、僕だよ」太った男が入ってきた。顔中に脂肪がたまり、にやにやした笑みを浮かべている。
夏天は彼をじっくりと観察した。身長170cm、体重は約200斤くらいだろう。
「おや、お前は何者だ」溫兆華は夏天を見た。
「僕が知っているのは、あなたが人間じゃないということだけですね」夏天は軽く笑った。
「お前こそ人間じゃない」溫兆華の表情が冷たくなった。
「そうですか、じゃああなたは人間なんですね。どんな人間なんでしょうか?」夏天は考えるふりをした。
「溫兆華、一体何がしたいの?警告しておくわ、私のことは曾柔か曾社長と呼びなさい。他の呼び方はダメよ」曾柔は無表情で言った。
「柔柔ちゃん、怒らないで」溫兆華は優しく言った。
「耳が聞こえていないようですね。呼び方を変えろと言われたのに」夏天は不満そうに言った。
「お前はどこの子供だ?大人が話しているんだ、子供は口を出すな」溫兆華は夏天を睨みつけた。