「どこかで見たことがあるような気がする」範莊主は眉をひそめた。夏天のカンフーは見覚えがあるようだったが、どこで見たのか思い出せなかった。
夏天の足の動きは幻のように軽やかで、まるで仙人が歩いているかのようだった。そして、彼の二本の指が不思議な動きで三さんに向かって突き出された。
夏天の指を見た三さんは、逃げ場がないと感じた。そこで彼は正面からぶつかることを選び、右足を直接蹴り出した。狙いは夏天の手首だった。彼は、夏天が何をしようとしても、この一撃を見れば必ず避けるだろうと確信していた。さもなければ、夏天の手首は彼の一蹴りで折れてしまうだろう。
「罠にかかったな」夏天は微笑んだ。そして腕を下げ、手首を90度回転させ、二本の指で直接三さんのふくらはぎを突いた。
「あっ!」三さんは痛みで軽く叫んだ。
「三さん!!」徐慶華は心配そうに三さんを見た。
「大丈夫だ」三さんは片足で一歩後退した。さっきは自分のふくらはぎが麻痺したかのように感じ、針で刺されるような痛みがあったが、今はもう消えていた。
「脚にはかなり鍛えているようだな」夏天は言った。さっきの一撃が普通の人の脚に当たっていたら、その人の脚はほぼ使い物にならなくなっていただろう。
「お前の手の技も悪くない。俺はお前を甘く見ていたようだ」三さんは右足を揺すりながら、冷たい口調で言った。「だが、もうチャンスはないぞ。俺は怒ったからな」
「ならば、試してみろ」夏天はその場に立ち、気迫は三さんに劣らなかった。
三さんの口角がわずかに上がり、両足で地面を強く踏みつけた。地面には浅い窪みができた。
「三さんがついに本気を出したようだ」徐慶華はうなずきながら続けた。「この勝負もそろそろ終わりだろう」
徐慶華は三さんの能力をよく知っていた。少なくとも、彼は三さんが負けたところを見たことがなかった。
バン!
三さんの一蹴りが夏天の両腕に当たった。さっき夏天の反応が速くなければ、その一蹴りで骨を折られていたかもしれない。
「すごい力だ」夏天は手を振った。
「これはほんの始まりだ」三さんの両足はまるで幻のステップのようで、夏天には次にどちらの足が出るか予測できなかった。