「夏天、もうすぐ大学入試だね。どこの大学に行きたいか、兄貴に言ってみな」と小馬兄が言った。
「弟の学力をそんなに信じてないの？」と夏天は不満そうに言った。
「ははは、そうだな。義父がお前に厳しいから、俺が余計な心配をしてたんだ」と小馬兄は微笑んだ。夏天が小さい頃から学んできたものを見ると、恐ろしく感じたが、幸い義父は彼にそこまで要求しなかった。
「今何してるの？」と夏天は尋ねた。
「何ができるって？生きていくだけさ。昨日も見ただろう、俺が付き合ってるのはあのディベロッパーたちだ。建材の売買をしてる」と小馬兄は微笑んだ。
「建材の売買なのに、なぜ向頭さんなんかと知り合いなの？」と夏天は不思議そうに言った。
「俺は鉄骨を手に入れられるし、上の連中とも繋がりがある」と小馬兄は明言しなかったが、今自分がどれほど大きな商売をしているかを示した。
「すごいじゃないか」と夏天は感心して言った。小馬兄はまだ25歳なのに、こんなに大きな商売をしているなんて。
「大したことじゃないさ。確かにディベロッパーたちの前では面目があるけど、俺も他の人の顔色を伺わなきゃならない」と小馬兄の言葉は明確ではなかったが、夏天は理解した。彼の言う「他の人」とは向頭さんたちのことだろう。
「それでもすごいよ。他の人はこの年齢でまだ卒業もしてない学生だよ」と夏天は褒めた。
「俺のものはお前のものだ。今日からお前は馬氏建材の副社長だ。何が欲しくても、小馬兄がお前に与えられる。お前の義姉以外はな」と小馬兄は夏天の肩を叩きながら続けた。「お前は俺にとってこの世界で唯一の身内だ」
「いらないよ。それは全部小馬兄のものだ。兄貴も俺にとって一番近い人だけど、兄貴の金は要らない」夏天は小馬兄を実の兄弟のように思っていたが、決して彼の金は欲しがらなかった。
「好きにしろ。とにかく必要なら、俺の金はいつでも使っていいんだ」小馬兄は夏天を強制しなかった。彼は夏天の性格が強情なことを知っていた。
車は一軒の別荘の前で止まった。
「あれ？この家には運転手も使用人もいるのに、なぜ兄貴がおやじを病院に連れて行くの？」と夏天は不思議そうに尋ねた。この別荘には運転手も使用人もいるのに。
