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Chapter 2 - 夢が生まれる

初めて夜空を見上げ、この星を離れることを夢見たのは、たぶん6歳の時だったと思います。あの時、何を考えていたかははっきり覚えていませんが、どんな気持ちだったかは今でも覚えています。星たちは、とても…静かで、遠かったのです。

まるで私を呼んでいるように感じました。そんなことを言うと馬鹿みたいに聞こえるかもしれませんが、6歳の小さな頭では本気でそう思っていました。星はただの光の点ではなく、そこには場所があるんだって。そして、私はそこに行きたかったのです。

庭に座っていたことを覚えています。冷たい草が足をくすぐり、両親はポーチで静かに話していました。彼らの声が聞こえていましたが、その言葉には気を留めませんでした。私はただ、空を見つめて、その向こうに何があるのかを想像していたのです。

「何を見ているの、レイナ?」と、母が静かに後ろから話しかけてきました。

「星」と私はささやくように答えました。静寂を破るのが少し怖かったのです。

彼女は私の隣に座り、肩にそっと腕を回してくれました。「きれいだね」と言いました。

私はうなずきましたが、美しさよりも別のことを考えていました。なぜ人間は星にたどり着けないのだろう? なぜみんな、ただ見ているだけで満足しているのだろう?

「ねえ、お母さん」と私は静かに言いました。「いつか星に行けると思う?」

彼女は軽く笑い、私の髪を撫でながら答えました。「いつか、かもね。でも、まだまだ遠い未来のお話よ。今は、それは不可能だわ。」

その言葉、「不可能」。それが心に引っかかりました。そんなの嫌でした。そんなこと、信じたくなかったのです。

「どうして、不可能なの?」

母は一瞬言葉に詰まり、どう説明しようか考えているようでした。「そうね、宇宙には行けるけれど、星はとても遠いの。いちばん近い星にさえ行くのに何千年もかかるわ。」

私は眉をひそめました。時間と宇宙についてのすべてはまだわかりませんでしたが、「不可能」という考えはどうしても受け入れられませんでした。「私が試してみたら?」と、子供にしては少し大人びた声で問いかけました。

母は微笑みましたが、その目にはどこか哀れみのようなものがありました。「レイナはとても賢い子ね。いつか人々が方法を見つけるかもしれないわ。でも今は、星を見て楽しむことしかできないの。」

「今じゃない」って? 私は「今」が欲しかったのです。

母がポーチに戻った後も、私はそこに座って星を見上げていました。手を伸ばして、もし頑張れば届くんじゃないかと思いました。

行きたい、と思いました。あの星の向こうに何があるのか見たい。

そしてそれが始まりでした。私の人生を追い続ける夢の始まりでした。

その後数年間、宇宙への興味はますます大きくなりました。他のことにはあまり興味がありませんでした。学校や友達、他の子どもたちが好きな遊びやおもちゃさえも、星の間を飛び回ることの魅力には敵いませんでした。空いた時間はすべて、惑星や星、ロケットについて読むことに費やしました。

両親は、私がなぜ他の子どもたちと遊ばないのか理解できませんでした。「友達を作ってみたら?」と父はよく言いました。「人といることも大事だよ。」

でも、私は気にしませんでした。私は人なんて必要ありませんでした。宇宙があったのです。

ある日、教室でぼんやりと窓の外を見ていたら、先生が私に話しかけていました。たぶん数学の授業だったのでしょうが、私の頭はすでに宇宙に飛んでいました。

「レイナ?」

現実に引き戻され、クラス全員が私を見ていることに気付きました。先生の田中先生が、私の前に立って、少し眉を上げていました。

「ごめんなさい」と私はつぶやき、姿勢を正しました。

「質問をしたんだけど、答えられるかな?」と、彼は優しくも厳しい声で言いました。

何を聞かれたのか全くわからず、顔が熱くなるのを感じました。ノートには授業のメモではなく、宇宙船の絵を描いていました。

「答えは…宇宙です?」と、あてずっぽうで言ってみました。

クラス全員が笑い出し、私は胸の中に沈むような気持ちを感じました。田中先生は首を振りましたが、怒っているわけではありませんでした。「違うよ、レイナ。今は分数の話をしているんだよ。」

分数か。そうだ、もちろん。でも笑いが収まると、再び私は宇宙について考えていました。星のほうが数字よりもはるかに魅力的でした。

その晩、学校での長い一日を終えた後、私は家の屋根に登りました。そこは夜がいちばん好きな場所でした。そこでは誰にも邪魔されません。ただ私と空だけ。

夜の冷たい風が私に吹きつけ、最初の星が現れるのを見ながら寝転がっていました。先生の言葉を思い出しました。他の子たちのように集中するべきだと。でも私は、他の子たちのようになりたくはありませんでした。彼らが大事にするものに興味はありませんでした。

私はこの世界を離れたいだけだったのです。

「いつか」と、私は心の中で自分に言い聞かせました。「いつか、私は船を作って、誰も行ったことのない場所に行く。そして、そこで誰も見たことのないものを見るんだ。」

その誓いを立てたとき、不思議な落ち着きが私に広がりました。誰が何を思おうと関係ありませんでした。宇宙について話すと笑われることも気になりませんでした。私には何が欲しいのかがはっきりしていて、それを必ず実現させるつもりでした。

星たちは、私を待っていたのです。